奴隷求む! 自己主張しない日本人しか雇わない中国人オーナー。

20万円も支払ってカナダでエステの仕事をゲット

 

カナダワーホリも半年を過ぎ、ようやく仕事を本格的に探し始めた時期。

異国の地で働くなんて怖いよ〜! なんて思っていても底をついてゆく貯金に逆らえるはずもない。

ワーキングホリデーで日本人がよくする仕事といえば、日本食レストランが定番の流れ。

日本食レストランは日本語も通じるし、割と簡単に雇ってもらえるので多くの日本人が働いているのです。

しかし、英語を学びにカナダまで来たのだから日本人のいない環境で働きたいという気持ちが強かった私。

日本食レストランだけでは働きたくない! という意気込みでカナダの土地を踏んだ以上、今更自分の意志に屈したくなかったんですね。

しかし、そう簡単に仕事は見つかりません。

初の海外生活でどうやって仕事を探していいのかも分からなかったため、ひたすらグーグルで「カナダ 求人 ワーホリ」と打ち込む日々。

ようやく見つけた仕事は、英語で求人が出ていたことから、オーナーは日本人ではなさそう。

しかも、エステやネイルをするサロンらしく、HPはオシャレな雰囲気を醸し出している。

もうこれしかない! そう思って早速面接に行くことにしたのです。

場所はトロントのオシャレな区域。

朝から友人とテラスでお茶をしたりブランチをする現地人がとても眩しい。

 

実際に会ってみるとオーナーはとてもオシャレなファッションに身を包んだ、可愛い中国人でした。

美女好きの私は、可愛いオーナーでちょっと嬉しい。

しかし、このオーナー実はとんでもないやつだったんです!!!

まず、面接はすでに私を採用する方向で進んでいるらしく、アロママッサージ、ネイル、エステの研修をしなければならないとのこと。

研修が必要なのは当然といえば当然なのだけど、何と毎月のお給料から400ドル研修代として引かれると言うのです。

400ドルといえば、当時カナダドルが1ドル80〜90円だったので、日本円にすると32000円〜36000円

これが半年間も続くのだから、19万〜21万円は研修代として消えてゆくことになります。

日本で同じような業種の仕事をしていた私は、このシステムに違和感を感じました。

なぜなら、日本ではお給料こそ発生しませんでしたが、研修は全て無料で、高い技術を教えてもらえていたのです。

しかし、ここは異国の地カナダ。

 

英語が母国語ではない日本人が仕事を探すというだけでも一苦労です。

これ以上仕事探しに時間を費やすのも勿体無いし、面倒くさいし、ましてや他に仕事があるかどうかも分からない。

正直なところ、ゲストハウス暮らしでちょっと疲れてきてたし、そろそろ仕事くらい決めたいところ。

20万円の研修費はだいぶ引っかかるけど、もう他に仕事を探す余力なんてない。

そう思い、思い切ってそこで働くことに決めたのです。

 

確実に20万円もの価値がない恐ろしく雑な研修

 

研修は翌日から。

しっかりと研修をしてくれるのかと思っていたら、サラサラ〜と流れを説明して、後はマネージャーの女の子が私の練習を見てくれる日々。

オーナーはマネージャーをえらく信用しているらしく、確かにマネージャーはなぜここで働いているのか不思議なくらいの人格者。

明るくて、前向きで、優しくて、楽観的で、柔軟で、彼女がいるから私は辞めずに続けられたくらいの、本当に素晴らしすぎるくらいの人格者なのです。

そんな彼女に全てを任せ、オーナーはカナダ人の彼氏と早めに帰ってゆきます。

彼女は基本的に女王様タイプで、自己中心的わがまま、そして気性が極めて荒いということがだんだん分かってきました。

ネイルの練習をしている時に、ブチギレて「お前みたいな下手くそは見たことがない!!!もうイライラするから今日はやめる!!!」と言い出し帰ってしまうくらいです。

そもそも、研修初日に出来なくて当たり前ではないのだろうか。

中途半端にネイルの研修を中断し、帰宅した私の元にオーナーからのメールが届いていた。

 

「今日はイライラしててごめんね。あまり気にしないで。ゆっくり休んでね。ではまた明日。」

 

な〜んだ! 本当はいい人なんじゃん!!! なんて思う私ではない。

こう言う輩こそ信用できないタイプなのは短い人生経験ながら会得済みである。

予感は的中し、翌日出勤するとオーナーのミスにより予約をオーバーブッキングしたため、私にネイルの施術に入れと言ってくる。

昨日あれだけ下手くそだのと罵られ、下手くそなまま練習が中断されたと言うのに、オーナーは「あなたはもう大丈夫よ! 不安な時は隣のマネージャーの真似をすればいいわ」と言う始末。

あなた精神的に大丈夫???

これってお客さんに失礼じゃない???

そんなことは言えない羊のように大人しい私は、冷や汗ダラダラかきながら必死でネイルを塗りました。

このネイルがまた、オーガニックかなんか知らないけど、やたら塗りにくい。

ただでさえネイルなんてしない私が、人様にダマになるネイルを必死で塗ってお金をいただいている。

この最悪な状況をなんとか乗り越え、お客様もなぜか喜んでいる。

あ〜良かった…と一安心したのもつかの間、このオーナーはオーバーブッキングの常習犯で、これからなんども一度もやったことのない施術をすることになるのでした。

時には、私ができないのを知っていて予約を取るもんだからもうこの人本当に大丈夫??? という感じ。

その都度「隣のセラピストの真似をすればいいから!」と言われる私。

チョコレートパックに泥パック、ホットストーンにブラジリアンワックスと、やたらとメニューの多いこのサロンはこうやって回っていたのであります。

私もこのサロンにいて感覚が麻痺しているのか、異国の地カナダで何が常識なのか分からなくなってゆく。

気づけば、大した研修もしてないのに引かれ続ける400ドル。

オーナー1割、マネージャー4割、ぶっつけ本番5割という、こんな雑な研修に20万円も支払う価値は本当にあったのだろうか。

「価値はなかった」と言うのが明確な答えだろう。

 

気づけば周りは日本人だらけのエステサロン

 

最初に入った頃は日本人のスタッフが一名と移民のカナダ人マネージャーが一名。

よほど人手が足りてなかったのか、面接に遅刻したのに即採用された謎はこれでした。

このサロンは先ほど説明した充実の研修制度があるために、未経験者がバンバン面接にきます。

そのほとんどが日本人。

そのわけはオーナーが日本人としか仕事がしたくないため、日本人が見る求人サイトに募集要項を載せているからなのです。

彼女いわく、中国人も、台湾人も、韓国人も自己主張が強くて文句ばかり言うからやりづらい。

日本人は真面目だし、言うことをちゃんと聞いて、一生懸命働いてくれるからやりやすいとのこと。

つまり、日本人は会社のいうことに従順で、自分で考える力がなくて、たとえ疑問に思っても上司に反論することをせず、我慢して真面目に、求められた以上の仕事をする人種だから、扱いやすいというだけのことだというわけです。

彼女のやり方に異論を唱えることは許さず、なんの疑問も持たない未経験者のおとなしい日本人が一番使いやすいということでしょう。

戦争を放棄した我々日本人は、調和を保つということに重きを置くために、自己主張をして場の調和を乱すような行為はしないかもしれません。

それが裏目に出たパターンがこれです。

異国の地で職探しに難航する日本人の足元を見た新たなビジネスと言えるでしょう。

組織に属し、組織に洗脳されやすい我々日本人は、適当で雑なビジネスをする中国人オーナーにとっては格好のカモだったのです。

私が辞めるまでの間に何人かエステサロン経験者が採用されたのですが、そのサロンの実態に呆れ果て、辞めていってしまいました。

日本人しか雇いたくない!!!と豪語していたオーナーはポリシーがないのか、たまにフランス人や韓国人を雇っていましたが、続いた者は一人もおりませんでした。

彼らは自分の意思や意見がしっかりあるからです。

オーナーの暴君ぶりが辛くて辞めていく日本人スタッフも多かったですが、結局続くスタッフも日本人が多い。

日本人しか雇いたくないというか、日本人しか雇えなかったというのが実際のところでしょう。

 

海外で働く上で気をつけたいこと

 

結局、頭のイカれた中国人オーナーは気にくわないけれど、スタッフが天使のようにいい人ばかりだったため半年間勤めることができました。

毎月不本意な研修費が引かれるものの、チップはもらえるし、収入はそこそこ良い。

半年で6000ドルを貯めれたことから毎月1600ドル以上は稼いでいたと言えるのです。

手書きでグチャグチャの給料明細のため、内容がうまく読み取れなかったもんだから、本当にちゃんとした給料がもらえていたのかは分からないけれど、もう何もかもめんどくさいからそこそこ貰えればそれでよかった。

完全に割り切ってこういう場所で働くという選択をしたので、ある程度は我慢ができました。

 

しかし、これから海外で働くことを考えている人は、海外で働く日本人は足元を見られやすいということを覚えておいても良いかもしれません。

なんせ、反論というものをしない国民なのですから。

まぁ、あのエステサロンで反論したところで私の意見が通ることは無かったとは思いますが。

 

仕事を探すオススメの方法は自分が働きたい! と思った会社やお店に履歴書を持っていき、面接してもらうパターンです。

知り合いの日本人は英語もできないのに100枚履歴書を作り、町中のお店に配り歩き見事、仕事を手に入れていました。

ネットにも求人は出ていませんし、地元の人しか働いていないため、日本語は通じません。

私は当時、その強さに感服したのでした。

強い意志と、やる気と根気さえあれば、いろんなことに甘んじることもないのかもしれません。

ちょっと根性論になりましたが、海外では「自分の意思」「個性」というものが大事にされています。

彼らはバンバン討論しますし、人と違うことを恐れません。

 

 

自分の意見を言わない。

自分の意見が何なのかも分からない。

 

 

軸のブレたコマはすぐに、倒れてしまいます。

そんな私は一年半程海外で生活をしましたが、やっぱり気の弱い日本人。

これを書きながら、ブレない軸というものを整えてゆきたい気持ちになりました。

 

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